コンテンツマーケティングのイメージ

先人に学ぼう!コンテンツマーケティングの成功事例を紹介!

コンテンツマーケティングのイメージ

日本でコンテンツマーケティングについて、取り上げられるようになってから、5年がたちます。ですが今だに、コンテンツマーケティングとは何かを勘違いしている方も多くいるようです。そこで今回の記事で、コンテンツマーケティングについておさらいするとともに、企業で実施された事例を見て、何をポイントとすると効果が出るのかをまとめました。

コンテンツマーケティングは時代が変わっても本質は変わらず、効果を出すことができる概念です。1996年3月に、ビル・ゲイツがマイクロソフトのWebサイト上で「Content is King」とタイトルをつけたコンテンツを書いていることからも、本質は変わらないことが見えてきます。持続的にビジネスを伸ばすことを志しているならば、勉強する価値のある概念です。

コンテンツマーケティングについておさらい

リモートワークで働く女性

コンテンツマーケティングの事例を紹介する前に、基本的な知識を確認していきましょう。

コンテンツマーケティングの定義

まずはじめに、コンテンツマーケティングについて、その定義をおさらいしましょう。

コンテンツマーケティングインスティチュート(以降、CMI)はご存知でしょうか。CMIは、コンテンツマーケティングの第一人者であるJoe Pulizziによって設立された教育啓蒙組織で、その前身である『Junta42』は2007年に創立されています。創立年を踏まえると、今年(2019)で12年間、コンテンツマーケティングについて情報発信をしている組織です。

以下、CMIによる、コンテンツマーケティングの定義です。

“Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly-defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.”
引用元:CONTENT MARKETING INSTITUTE(contentmarketinginstitute.com)

上記英文を翻訳すると、

“コンテンツマーケティングは、価値のある関連性の高い一貫したコンテンツを作成して配信し、明確に定義されたオーディエンスを惹きつけて維持し、最終的に収益性の高い顧客行動を促すことに焦点を当てた戦略的マーケティングアプローチです。”

となります。

CMIの定義からわかるのは、コンテンツマーケティングとは、

  • 誰に対して
  • 何を届け
  • 最終的にどう行動してもらうか

を戦略的に実施していくことだと表されています。

よく、コンテンツマーケティングというと、Web上で記事を製作し、コンテンツSEO(検索キーワードに対して、受け皿になるコンテンツを用意してアクセス増加を狙う手法のこと)を実施していくことと捉えている方がいますが、CMIの定義ではそれとはまた異なります。チャネルについての定義はなく、オンライン、オフラインのいずれのコンテンツもコンテンツマーケティングに含まれることを意味しています。そのため、Web上のコンテンツSEOを中心としたコンテンツマーケティングは狭義のコンテンツマーケティングと言えるでしょう。この記事で扱うコンテンツマーケティングは、狭義のものではなく、広義のものです。

コンテンツマーケティングの初歩的なプロセス

コンテンツマーケティングを実施するにあたり、最初に考えておくべきこともおさらいしておきましょう。コンテンツマーケティングに取り掛かるにあたり、下記の内容をまずはおさえます。先ほどのCMIの定義にもあるように、コンテンツの消費者に、最終的にどのような行動をとってもらいたいかを明確にする必要があります。そして、コンテンツマーケティングが有効であることを証明するためにも、その目標はビジネス目標に関するものでなくてはなりません。

いくつか例を挙げてみます。

  • ブランドの認知度の向上
  • 見込み客の獲得
  • 見込み客の育成
  • 既存顧客のさらなる購買促進
  • 顧客満足度向上・ファン化促進

上記のような目標を、コンテンツマーケティングの目標として、設定する必要があります。これら目標を設定した上で、コンテンツの設計に入ります。

コンテンツの設計は、

  • そのコンテンツを誰に消費してもらいたいか
  • その対象に対して、どのような媒体で届けるのが適切か
  • コンテンツを消費した対象に次にどのような行動をとってもらいたいか(最終的なビジネス目標を段階分けしたものでも問題ありません。)

の3点を設計します。

コンテンツマーケティングの成功事例:国内編

手を合わせて喜ぶビジネスマンたち

それではさっそく、国内のコンテンツマーケティングの成功事例からご紹介していきます。

国内事例1:ユアマイスター株式会社(Your mystar, Inc)

ユアマイスター社はハウスクリーニングや革製品の修理を手掛ける職人と、それを求める消費者とをつなぐプラットフォーム「あなたのマイスター」を提供する会社です。その「あなたのマイスター」サービスと、消費者をつなぐコンテンツとして、「RELIVERS」(リライバーズ)という自社メディアを運営しています。

2018年12月時点では、この「RELIVERS」経由でのコンバージョン(以降、CV)が10%を超えているそうです。通常、業界にもよりますが、一般的なWebサイトのCV率相場は1%となっていて、自社メディア経由となると、そこからさらにCV率は下がるのが一般的です。そのような状況の中でも、自社メディア経由で10%ものCV率を誇るのは素晴らしい実績と言えます。この事例の優れている面は、コンテンツの対象者を3段階に分けて分類している点です。それぞれの対象者に対して適切にコンテンツを用意し、次への行動を促しています。

まずは、ハウスクリーニングや革製品の修理の中でも、プロにお願いしないとできないことと、消費者が自分の手でできることの2つに分けることができると考え、それぞれに向けたコンテンツを作成しています。そして、それらのニーズの橋渡しの役目として、プロを認知してもらうコンテンツを作成しています。

上記コンテンツのように、消費(読んでもらいたい)してもらいたい層を明確にし、そして、次へのアクションを設定することで最終的にビジネス目標につながるよう、戦略的に設計されています。コンテンツ内で、こういった戦略のきな臭さをユーザー側では感じないように工夫しているのも好印象な事例です。

国内事例2 旭化成不動産レジデンス – へーベルメゾン

旭化成不動産レジデンスと旭化成ホームズが提供するへーベルメゾンブランド。安心かつ機能性も充実した、高品質な賃貸物件を提供するサービスです。同社の事例は、リスト収集を目的とした、資料請求型のコンテンツです。リスト収集を目的とした資料請求型のコンテンツは、自社サービスや製品の良さを訴求するためのコンテンツとなりがちですが、へーベルメゾンの場合は本質的に、賃貸経営に興味のある方にとって役に立つコンテンツとして設計できている点が優れています。話題になったタイポグラフィ広告なので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一部、タイポグラフィ広告をご紹介します。
“「えっ、30年間お任せの賃貸経営だって!?わっ!コーヒーこぼした!この「30年一括借り上げシステムの」の新聞広告が驚かせるからさあ、母さん布巾!旭化成なら30年間一括お任せ賃貸経営って書いてあるんだもの!・・・・(以下続く)” 

ヘーベルメゾン タイポグラフィ新聞広告

割愛していますが、この後の文章では、

  • 自宅と賃貸の併用もOKであること
  • 30坪の土地から建てられること

など、潜在顧客にとって有益な情報が掲載されています。文字だけの広告で、目を引くようなインパクトを設計士、読み進めていくとターゲットである層に役に立つ内容が記してあるというしかけです。賃貸経営に少しでも興味がある消費者にとっては、「私に対して情報提供をしてくれている」という感覚になるような、戦略的な事例です。広告とは分かっていても、さらなる情報欲しさに、ついついお問い合わせしたくなってしまいます。

コンテンツマーケティングの成功事例:海外編

ガッツポーズで喜ぶグループ

次に、海外のコンテンツマーケティングの成功事例をご紹介します。

海外事例1 ゼネラル・エレクトリック

海外でのコンテンツマーケティングの事例は、世間的にも知名度が大変高い、ゼネラル・エレクトリック(GE)です。世界中に約307,000人、170もの拠点を持つ超大企業です。

同社は

  • 航空機エンジン
  • 医療機器
  • 産業用ソフトウェア
  • 各種センサ
  • 鉄道機器
  • 発電および送電機器(火力発電用ガスタービン、モーター、原子炉)
  • 水処理機器
  • 化学プロセス
  • 鉱山機械
  • 石油・ガス(油田サービス、天然ガス採掘機器、海洋掘削)
  • 家庭用電化製品(LED照明、スマートメーター)
  • 金融事業(法人向けファイナンス、不動産ファイナンス、各種リース、銀行、信販)

など、とても幅広い事業を展開しています。

今回取り上げるコンテンツマーケティング事例は、採用向けメディアです。採用向けメディアでよく見かけるのは、企業で働く社員を、仕事を通して紹介するというメディアです。GEの場合は、採用メディアの王道スタイルとは少し異なり、あくまで仕事を中心に据え、企業内文化や姿勢を伝えようとしています。

このメディアの目的は、採用者(見込み顧客)のブランドへの絆や情熱の育成です。GEについて興味を持ってもらったことを入り口に、無料メールマガジンへ登録。GEに対する理解と情熱を高め、最終的に採用応募へつなげる役割をしています。この自社メディアは2014年7月からスタートし、現在も継続されていることから、毎年メディア継続にかける予算を確保し続けていることは明白です。コンテンツマーケティングとして、一定の成果を出し続けていることがわかります。

同メディア内の「風の秋田」を創る『GE REPORTS JAPAN』(https://www.gereports.jp/windfarm-akita-1)という記事。GEが製作した大型風力タービンを、男鹿半島の南側6キロにわたって、22基設置するという壮大な計画、風力発電所「秋田潟上ウインドファーム」というものについて紹介しています。秋田の衰退とは対照的に、地域創生を志す関係者(秋田県 中島英史 副知事、北都銀行 斉藤永吉 頭取、秋田県庁 産業労働部 資源エネルギー産業課、秋田風力発電コンソーシアム「秋田風作戦」 会長ほか多数関係者)の情熱模様が内容です。

GEが取り組むビジネススケール感と、社会課題の解決やイノベーションを追い求める様子がコンテンツを通して読み手に伝わってきます。このようなコンテンツを定期的に消費する(読む)ことで、GEに興味を持つ学生や就職希望者が、将来の仕事像をますます膨らませることは、すぐに想像がつきますね。

海外事例2 Yale Appliance社

Yale Appliance社はアメリカのボストンで家電販売事業を行っている会社です。家電と言っても、冷蔵庫や食洗機、オーブンというような取り付けが必要な、据え付け型の家電販売を専門で行っています。そのため、他の家電より、消費者の検討余地が大きいのが特徴です。こういった業態の事業は、コンテンツマーケティングとも相性が良いです。

同社は2011年より、コンテンツマーケティングに取り掛かりましたが、それまでは年間70万ドル(日本円でおよそ75,600,000円)の広告予算をマスメディアに費やしていました。 新たな取り組み(コンテンツマーケティング)の結果は素晴らしく、売り上げが2倍、そして、それまでにかかっていたコストも削減することに成功しました。

Yale Appliance社の戦略は、ターゲットを数ある都市の中からボストン市のみに絞りこんだことがまず挙げられます。ボストン市内の購入検討者へ届けたのが、家電ブランドの購入ガイドです。ブログ(https://blog.yaleappliance.com/)を通して集客し、各記事の下層部分に設置してある導線から、購入ガイドのダウンロードへと導きます。

同社の事例の優れている点は、この購入ガイドをセールスマン自身で制作している点です。セールスマンが持つ、幅広い商品についてのノウハウを最大限に活かすことができています。そして、購入ガイドをダウンロードした見込み客に対して、メールマガジンを配信します。商品についてのさらに深い情報を発信し、見込み客の育成へと繋げる戦略です。

コンテンツマーケティングの成功事例から学べること

積み上げられた本

上記4事例の成功事例から、模倣するべき点は2点あります。

まずは、やはり基礎はすべての根幹になると考え、コンテンツマーケティングの初歩的なプロセスを抑えた上で戦略設計すべきという点です。そして、もう1点は、その企業ならではの文脈をもった、独自コンテンツを作りあげているという点です。

コンテンツマーケティングのプロセスを抑える

ユアマイスター社の自社メディア「RELIVERS」は、コンテンツを消費してもらいたい層を大きく2層に分けました。ハウスクリーニングについて、「自分たちでできることは自分たちで済ませようと考える層」と「プロへの依頼を考える層」の2層です。コンバージョンに近いのは当然プロへ依頼することを前提にしている層です。自分たちで済ませようとしている層も場合によっては、プロへの依頼の必要性を感じ、コンバージョンすることはもちろんあります。そこで、プロへの依頼を考えている層には、依頼する導線をわかりやすく提供します。

自分たちで済ませようとしている層には、教育的なコンテンツを提供しつつ、プロへ依頼しなくてはいけないことと、自分たちで済ませられることとの判別がつけられるように啓蒙しています。へーベルメゾンの事例では、対象となる層は賃貸経営に興味がある層であり、明確です。新たな賃貸経営の形を、要点を絞って伝える。この要件をクリアするために、スペースが限られている紙媒体を選定しています。

  • コンテンツを届ける対象
  • どのような媒体で何を届けるか
  • その後にどう行動してもらいたいか

が、対象を起点にして明確になっています。

また、GEの自社メディアについては、誰に対してそのコンテンツを届けようとしているかは明文化されてはいませんが、GEに就職することを前提としている層に対してのメディアであることは明らかです。特定の会社へ興味があるのは、顧客(見込み、潜在)か、就職を考えている人か、社内の人間です。この中で、企業内文化を知ってそれがビジネス上の成果に繋がるのは就職を考えている層です。対象に対して、GEの企業文化とイノベーションに対する姿勢を打ち出し、企業についての理解を促す。そして、就職後の将来展望を想像させて、GEへの想いを高めることに貢献しています。更新頻度こそ月に1回ペースでそれほど高くはありませんが、対象に対してどのようなコンテンツを届けたらGEへの情熱が高ぶるかを、戦略的に設計している点は真似るべきです。

コンテンツの独自性

成功事例から学べる点の2つ目は、コンテンツの独自性です。コンテンツマーケティングというからには、発信するコンテンツが企業独自のものである必要があります。それは絶対的なものでなく、相対的なものでも問題ありません。

ユアマイスター社の場合は、事業形態上、ハウスクリーニングのプロと連携しているという特性があるため、プロならではの掃除の仕方やお掃除グッズを紹介し、その内容を素人の我々にもわかりやすく解説してくれています。ハウスクリーニングのコツを紹介しているコンテンツは世の中にもたくさんありますが、同社のメディアではノウハウを、プロを通して紹介している記事コンテンツが特徴的です。プロとの仲介を担っているユアマイスター社が手がける自社メディアだからこそ、文脈が読み取られ、コンテンツの信頼性が高まり、独自のコンテンツであると消化されます。

GEの場合はグローバル企業であるため、コンテンツに含まれる仕事内容は、国外のものも含まれています。もしこれが、国内だけの事例であれば、グローバル企業としての顔が映しだせませんし、グローバル企業であるはずなのに、なんだか小さく見えてしまいます。これは街の中小企業には出せない特色です。

Yale Appliance社の場合も、セールスマンが持つ独自のノウハウを活用し、見込み客が欲している商品比較情報をコンテンツとして提供しています。読み手から見ると、自分たちがどのように見えるか見せるかを、戦略の元決定していることが上記の例から見て取れます。企業独自のコンテンツ。これはコンテンツマーケティングをビジネス目標の達成に繋げることには必要不可欠な要素です。

まとめ

Content marketing

コンテンツマーケティングについて、定義とその基礎を復習し、国内外の事例を見てきました。今回はウェブ上での施策をメインに取り上げましたが、冒頭にも述べたように、コンテンツマーケティングはオフライン施策も含まれます。しかし、その根底はオンライン・オフラインで変わるものではなく、誰に対して、どの媒体で何を届け、そしてどう行動してもらうかに尽きます。そして、コンテンツの発信者ならではの文脈で製作したコンテンツを、受信者に届け切ることができるか。この点も、消費者のネクストアクションを導くのに鍵を握る要素のひとつです。

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