インパクト絶大!アニメーションを企業のマーケティングに取り入れよう!
マーケティングにおいて動画コンテンツを主要武器として取り入れる企業が増える中、近年はアニメーションへの注目が高まりを見せています。この記事では、アニメーションとマーケティングの相互性から、実装を進める上で役に立つ情報までを詳しく解説しています。
目次
アニメーションをマーケティングに取り入れるメリット
まずはアニメーションを取り入れるメリットから紹介していきます。
直感レベルでの伝達
1分の動画の情報伝達量は、英語の文章に換算すると180万語分に値するそうです。これをWebページに換算すると3,600ページ分にもなります。伝えたい情報を動画という媒体に落とすと、膨大な量でも一瞬にして届けることが可能になるのです。そして、直感に近い感覚で得られた情報はよりダイレクトに受取る側の心へと響き、親しみや説得力を感じやすくするという効果が期待されます。
特にアニメーション動画においては、実写の動画に比べて表現の自由度が格段に上がるため、感情や欲求への働きかけをさらに高めることができます。提供する商品やサービスをより魅力的に伝えたい企業にとって、アニメーションはマーケティングの主要宣伝ツールともなり得る存在と言えるでしょう。
記憶への定着
企業や商品のブランディングを図る際、それを象徴するシンボルカラーを設定し活用するというのは一般的なマーケティング手法の一つです。アニメーションの制作は実写と異なり、ゼロからその世界観を築き上げることになるので、それぞれのシンボルカラーを作品全体の色合いへと落とし込むことが可能になります。
視聴者に対して深層的にイメージを浸透させるこの戦略は、色のみならず形においても同様に可能です。色や形などのあらゆるデザイン要素を狙いに合わせて自由に操り、視聴者の記憶に残りやすいベストなデザインを作り出せるというこの強みは、マーケティングにおいて重宝されるポイントでしょう。
若年層への訴求力
10代〜20代の若年層に対し顧客としてのポテンシャルを見出している企業は多く存在します。そして近年、アニメーションはそんな若年層の心を掴む有力なマーケティングツールとして、多方面から注目を集めています。
大手広告代理店、電通による2018年12月のウェブ調査によると、「アニメに興味・関心がある」と答えた若年層の割合は10代後半が72.4%、20代が64.3%にも上ったとのこと。また、30代・40代でも50%前後の人が興味・関心を抱いていると答えており、アニメーションがかつてよりも支持を拡げているという現状を見て取ることができます。
若年層にとってアニメーションはもはやサブカルチャーではなく、メジャーカルチャーとして受け入れられているのです。若年層をターゲットとするマーケティングにおいて、アニメーションは今や軽視することができない重要な訴求兵器となっています。
波及しやすい
アニメーション作品に対して高い熱量で接するいわゆる「アニメファン」の心を掴むことは、一般的なターゲットへの打ち出しよりも見返りが見込めることも着目すべきポイントです。言い換えると、広告マーケティングにおいてアニメファンは優良ターゲットであるということ。
これは電通が2017年11月に行った、情報や流行に対する考え方に関する調査によって明らかになっている事実です。この調査では、アニメーションに対して好意を持っている層はそうでない層に比べて、「情報に対する感度が高くそれを波及する力も高い」とカテゴライズされた人の割合が約2倍であるという結果が出ています。
ことさら、若年層はTwitterなどのSNSを使いこなし、「拡散する」というコミュニケーションを得意としています。短い時間で大きな広がりを起こすことは、広告マーケティングにおいて軸となる目標です。その観点からすると、アニメーションが持つ若年層ウケとファンの気質は戦略立てで踏まえるべきメリットと言えるでしょう。
グローバル規模でのマーケティング
2016年の8月に公開されたアニメーション映画「君の名は」の世界的ヒットは記憶に新しいところです。他にもジブリ作品やポケモン関連の商品など、近年の海外における日本製アニメーション人気は一段と高まりを見せています。
2018年6月に総務省が発表した「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析(2016年度)」によると、日本が海外に輸出している放送コンテンツの中でアニメーションはその約8割を占めているとのこと。また「アニメ産業レポート2017」でも、日本のアニメーションの海外での年間売上高は最高額を更新し続けているということが明らかにされています。
さらに、20の国や地域で6,600人を対象に「日本のモノ・コトで ”優れている” と思うこと」について行われた調査によると、約3分の1もの人が日本の強みを「アニメーション・漫画」と認識していることも分かっています(2018年 電通ジャパンブランド調査)。 (※)
インターネットビジネスのめまぐるしい発展は、国境という大きな砦を崩すことに成功しました。そしてYoutubeしかり、毎秒莫大な量の動画コンテンツがグローバルなマーケットで、コミュニケーションツールとして扱われるようになっています。
日本企業がマーケティング戦略として海外向けにアニメーションを活用したという事例はまだ多くありません。しかし、日本製アニメーションへの海外からの注目度やマーケティングのボーダーレス化などを踏まえると、今後実績が増えるのも時間の問題であることが予測されます。
マーケティングで効果的なアニメーション動画の種類
マーケティングに適したアニメーションの種類をおさえておきましょう。
2Dアニメーション
2Dアニメーションとは、平面レベルでキャラクターが動くアニメーションのことを指します。以下の動画のように、作成したイラストへ動きを指令する編集を施すことで、アニメーション作品へと変化します。
シンプルで素朴な仕上がりを特徴とし、商品やサービスの魅力を簡潔に伝える説明動画などに向いている手法です。アニメーションの内容や尺にもよりますが、時間や予算を抑えた制作を可能とするため、まずは小規模から取り入れたいという企業にお勧めです。
3Dアニメーション
先ほどの平面的な2Dアニメーションに立体感、つまりリアリティを加えたものが3Dアニメーションです。動きを作り上げる作業ではCGが用いられます。
視聴する側の想像力を刺激するような、鮮明でリアルな表現を行いたい際に有効で、最近ヒットを生み出している日本製アニメーションは、多くがこのカテゴリーに当たります。
技術における専門性が強く、作業工数も増えるためイニシャルコスト(初期費用)は高くつきますが、始めに作ったプログラミングは再利用が可能なので、ランニングコストは抑えられます。
ホワイトボードアニメーション
ペンと手からストーリーが生み出されるプロセス自体を、メインコンテンツとして魅せるアニメーションです。この画期的なアイデアはアメリカで生まれ、革命的なマーケティンングツールとしてビジネス界で話題を呼びました。誰もが一度は、この手法のアニメーションに見入ったという経験があるのではないでしょうか。
このアニメーションの特徴は、何と言っても「見入ってしまう」という点です。テンポの良い展開を作り、意外性を含ませることで視聴完了率を高めたり、記憶への定着を促すことができます。制作における予算や時間は抑えられますが、シンプルである分、デザイン・構成・演出における実力が顕著に表れるという点は侮れないところ。クリエイティブチームの選考は慎重に行うことをお勧めします。
モーショングラフィックス
その名の通り、グラフィック(Graphics:画像・図表)にモーション(Motion:動き)が加えられた、最近トレンドとされているアニメーションです。グラフィックスとあるだけに、印刷物に近いタッチでデザインの趣向が詰め込まれている作風が特徴的です。
企業のマーケティング活用例としては、ロゴにスタイリッシュな動きをつけてフレッシュなイメージや躍進感を打ち出すというのも手でしょう。とにかくセンスが問われるアニメーションです。
マーケティングで使えるアニメーション動画制作にオススメの会社
マーケティング用のアニメーションを発注するのにオススメの制作会社を紹介します。アニメーション導入が決まった際には参考にしてみてください。
Mチーム
アニメーションを観るということに慣れ親しんでていても、いざ作るとなると何から始めればいいのか、分からないことだらけだと思います。そんな「アニメーションを初めて取り入れる」という方や、「さまざまな手法を試してマーケティングへの効果を検証したい」という方にオススメなのが「Mチーム(https://mteam.jp/)」です。Mチームの最大の魅力は、定額でアニメーションの制作を依頼し放題であるというところです。
収益を上げることを目標とするマーケティング活動において、予算と成果のバランスはどんな企業にとっても共通している課題です。アニメーション制作においても、コストパフォーマンスの良い作品を完成させるには、それなりの知識と経験が必要になるでしょう。
アニメーションは既に存在するものや人を撮影する手法ではなく、ゼロから作り上げるという特有のスタイルで制作されます。それがゆえ、何がどこまで可能なのか、逆にどのような制約があるのか、どの行程にどれくらいの時間がかかるのかなど、実際の経験からでないと学べないことがたくさんあります。
アニメーション制作についての経験や知識の習得、予算ありきの定常的なアニメーション配信など、他にも定額に恩恵をこうむることを挙げればキリがないでしょう。
<ライトプラン>
- 料金:月額12万円
- 制作時間:16時間まで
<スタンダードプラン>
- 料金:月額24万円
- 制作時間:32時間まで
<カスタマイズプラン>
- 料金:要相談
- 制作時間:要相談
PROOX(プルークス)
「PROOX(プルークス:https://proox.co.jp)」は年間1,000本以上の動画を制作する、業界一の実績を持つ動画制作会社です。実績もさることながら、その対応の柔軟性も魅力の一つ。20万円程度の低予算の依頼から300万円以上のCMクラスの作品、1週間以内の高速納品など、企業のマーケティング事情を優先したさまざまな要望に応える体制が整っています。
<エントリープラン>
- 料金:30〜50万円
- 作品目安:1〜2分程度のナレーション入りのアニメーション
<スタンダードプラン>
- 料金:50〜80万円
- 作品目安:オリジナルイラストによるフルアニメーション
<プレミアムプラン>
- 料金:80〜150万円
- 作品目安:3DCGなどを用いたハイクオリティのアニメーション
<ハイグレードプラン>
- 料金:200万円〜
- 作品目安:TVCMレベルの高品質なアニメーション(セルアニーメーションも可能)
株式会社ワールド
内閣官房や大阪市など、公的機関からも依頼を受けている「株式会社ワールド(https://vision-world.biz/movie/cg-ani/)」は、脳科学やマーケティング理論などをベースにアニメーションをロジカルに構築することを強みとしている動画制作会社です。
CG、3DCG、オリジナルキャラクターなどにも対応可能です。制作費は応相談で、作業項目ごとに料金が設定されている仕組みです。
<料金目安>
・簡易CGアニメ:1万円〜
・アニメーション1秒:1万円〜
・ディレクション費用:3万円〜
・ナレーション3分まで:5万円~
Dentsu Japanimation Studio(DJS)
「Dentsu Japanimation Studio(電通ジャパニメーションスタジオ、DJS)」は日本最大手の広告代理店、電通が日本屈指のアニメスタジオ10社(2018年12月時点)と連携をとって進めているビッグアニメプロジェクトです。日本が世界に誇るカルチャー、日本製アニメーションを「Japan」と「Animation」を掛け合わせて造った「Japanimation(ジャパニメーション)」と表現し打ち出しています。
豊富なマーケティングデータをもとに、クライアントの意向を具現化することを得意とする広告代理店と、トップクラスの実績を持ち多くのファンを抱えるアニメスタジオの連携は、まさに鬼に金棒と言えるでしょう。
成果に対して高い期待が持てますが、その分大きな広告予算が必要となることは否めません。まとまった資金を準備できる、大手企業に向いている依頼先と言えそうです。
マーケティングアニメーションの活用事例を紹介
それでは、実際にマーケティングにアニメーションが活用されている事例を紹介します。
ダンロップ
ダンロップの「ROAD TO YOU」シリーズは、商品の直接的な宣伝や紹介は行わず、「良いアニメーション作品を世に出す」ということを全うし作られた作品で、結果的に企業への好感を生み出したブランディングの成功例です。手がけたのは、前述のDentsu Japanimation Studio。
ダンロップのスタッドレスタイヤのブランディングを図り、2017年に1作目となる「ROAD TO YOU ー君へと続く道ー」、2018年に2作目となる「ROAD TO YOU ー星降る丘の約束ー」、そして2019年に3作目の「ROAD TO YOU ー記憶に舞う粉雪ー」が公開されました。いずれも2019年11月現在での再生回数は1作目が310万回、2作目が180万回、3作目も公開からわずか1か月で既に140万回を超えるという好記録を出しています。再生回数のみならず、公開後の全体検証でも、ダンロップへの好意度の向上が確認できたそうです。
この事例の一番の成功要因は前述の通り、良い作品を作りアニメーション好意層の心を掴んだという点。そしてそれはもちろん、徹底したデータ分析やキャンペーン全体での公開タイミングの検討、話題のアニメーション監督・声優、ヴァーチャルシンガーなどの最新技術の起用など、総合的なマーケティング力の高さが土台にあってこその成果でもあります。
「ROAD TO YOU ー君へと続く道ー」
「ROAD TO YOU ー星降る丘の約束ー」
「ROAD TO YOU ー記憶に舞う粉雪ー」
ダスキン
ダスキンは自社が提供する「家族介護支援サービス」の認知を広げるため、ウェブマーケティングの一環で宣伝アニメーション動画を公開したところ、問い合わせ件数を倍に増やすことに成功しました。
提供するサービスについてや、認知症の実態、家族介護における辛さを伝えることが動画の目的ですが、それらを実写で表現すると生々しい描写となってしまうところが難点です。アニメーションを起用することにより、受け入れやすく、かつ分かりやすい内容に仕上げることができたことが成功要因のようです。アニメーションの表現の柔軟性とエンターテイメント性が功を奏した事例です。
Airbnb
民泊仲介オンラインサイトの大手、Airbnb(エアービーアンドビー)。革新的なコンセプトを武器に急成長を遂げているそのビジネス手法もさることながら、コンテンツマーケティングの質の高さにも多くの注目が集まっています。
次の動画は利用客の実際の体験をアニメーションで再現したものです。
かつてベルリンの壁の西側を援護し、壁にまつわる辛い記憶を拭えずにいる父と、壁崩壊後の新しい世界を知って欲しいと願う娘、そしてAirbnbのホストを務める、かつては東側の壁の援護に務めていた男性。それぞれ複雑な想いを抱いている3人が、Airbnbをきっかけに新しい一歩を踏み出すことができたという実際のストーリーを、アニメーションならではの巧みな演出で見事に描写しています。
登場人物の心情や時代背景を鎖や壁というアイコン、色味、タッチなどで比喩表現することにより、視聴者の感情を効果的に動かすことに成功した素晴らしい作品です。
まとめ
アニメーションは伝えるという点において多くの可能性を秘めています。種類や表現の幅が広いことはメリットではありますが、選択する力も試されることとなります。企業のブランディング、商品やサービスのプロモーションなど、どの目的にどのように利用するか、マーケティング戦略をしっかり固めた上で実装を進めましょう。