AEMの単語

AEM(Adobe Experience Manager)とは

AEMの単語

Adobe社と言えば、Adobe Photoshopのようなクリエイター向けソフトやAdobe Targetなどのマーケター向けツールを多く展開しています。そのすべてが最高水準。多くのユーザーから支持を受け続けています。 今回この記事で紹介するのはAdobe Experience Manager、通称AEM。クリエイティブとマーケティングの領域を連携させ、さらなる効率化を可能とするツールです。

以下の本文ではAdobe Experience Managerの解説から他ツールとの比較、導入事例などを紹介していきます。

AEM(Adobe Experience Manager)とは

Adobe Experience Manager スクリーンショット

Adobe Experience Manager(以下、AEMと呼ぶ)はAdobe社が提供するデジタルコンテンツを管理する複合的なプラットフォームです。

AEMを自体をCMSと捉えることもできますが、その実態はCMS(webコンテンツの管理)とAEM(デジタルアセットデータの管理)の機能を併せ持ったマーケティングツールです。位置づけが難しい所もありますが、Adobe社が「マーケティングツール」とカテゴリー分けしているのでここではそう表現させていただきます。

どのCMSよりも直感的なコンテンツ作成、アセットデータの管理の容易性。どれをとっても最高峰のツールと言えるでしょう。

Adobe Experience Manager

AEMの機能

パソコンの画面を除く男性と女性

AEMは複数の製品群で構成されたプラットフォームです。それは主に以下の4つから成り立っています。

  • Adobe Experience Manager Sites(コンテンツ管理システム)
  • Adobe Experience Manager Assets(デジタルアセット管理)
  • Adobe Experience Manager Forms(デジタル登録、デジタルフォーム)
  • Cloud Service(クラウドサービス)

それぞれの機能を紹介していきます。(すべて語り切るには、この記事では足りないので一部の特徴的な機能だけを抜粋して解説します。)

Adobe Experience Manager Sites

Adobe Experience Manager Sitesは人口知能を利用したコンテンツ制作を可能にします。

豊富なコンポーネント

コンポーネント(コンテンツ制作の部品)が豊富にあり、すぐに利用することができます。フォームやページナビゲーション、パンくずリストや検索などがコンポーネントとして利用できるため、すぐに必要なページを作成することができます。開発者、ページの制作者共に大幅な作成時間のカットをすることができます。

また、柔軟な操作環境によってWebリテラシーの高くないユーザーでも容易にページ作成を行うことができます。

容易なレスポンシブ

サイトに訪れるユーザーは様々なデバイスからアクセスをしています。デバイスの種類ごとに画面比や機能は異なるため、いっそうのレスポンシブへの対応が求められています。

AEMの強みはレスポンシブが容易に実現できる事です。各デバイスへのレスポンシブは自動的に行われます。最終調整として、デバイスごとの画面サイズに合わせたプレビューも可能です。レスポンシブが自動化されたCSMは他にもありますが、AEMではさらに画像も最適化されます。通信速度や画面サイズ、DPIを計算して最適な画像サイズへと自動変更されます。

自動のテキスト要約も魅力的です。Adobeの自然言語処理テクノロジーを活用し、画面サイズに合わせたテキスト要約を自動で行えます。PCでは適切といえる長さの文章量だとしてもスマートフォンから見たらそうではありません。ただレスポンシブで、画面サイズに合わせた配置、フォントサイズにしたからと言ってこれは解決しません。

デバイスごとに文章を手動で変えるのは労力がかかります。その点自動テキスト要約なら、意味を変えることなく、事前に定義した文字数まで自動的に短縮してくれるのです。機械学習によってより重要な部分が残されます。

一人に向けたパーソナライズ設定

AEMではパーソナライズされたコンテンツをいつでも作成することができます。顧客の関心に合わせて、事前定義した内容を出し分けることができるのです。

言語や国に合わせた設定、位置情報を利用した住みわけ、ペルソナに合わせたレイアウトの自動調整。顧客の関心を余すことなくコンパクトなページに盛り込むことが可能です。

Adobe Experience Manager Assets

Adobe Experience Manager Assetsならアセットの制作、管理、配信、最適化、そのすべてを効率化することが可能です。

連携されたCloud

クリエイティブチームが作成したアセットは、瞬時にマーケターの元へと届きます。クリエイターとマーケターが使う異なるcloudは連携されており共有が容易です。その場で、承認、コメント、ダウンロードなどのアクションができるなど、迅速なコミュニケーションが可能になる工夫が随所に施されています。

外部への提供も安全化されたアセット共有

社内だけでなく、社外に対してアセットを共有するとなると、不安に思うのは権利関係です。AEMではガバナンス、権限管理が徹底されたブランドポータルを設置することが可能です。

人工知能によるアセットの管理

膨大なデータを貯蔵できるAEMではアセットの管理にも人工知能が活躍します。スマートタグ機能は、自動的なタグ生成のほか、オリジナルなタグでも認識するよう学習させることができます。検索にストレスを覚える必用はありません。

さらにアセットをさまざまな画面サイズ、ネット環境に合わせて自動で最適化します。重要な部分の自動的な切り取りや、通信スピードの検出がされ、どのデバイスでも素早く綺麗な状態で表示されます。

Adobe Experience Manager Forms

フォームの作成は面倒なもの。Adobe Experience Manager Formsはその常識を覆します。直感的なドラッグアンドドロップが利用可能なプラットフォームに過去コンテンツを再利用することで、作業時間を何倍にも圧縮することが可能です。

もちろんレスポンシブも自動化されており、顧客のデバイスに合わせてコンテンツの最適化を行い、顧客の既存情報が入力された状態で表示させます。作成する企業、利用する顧客。双方が手間を省くことができるのです。

さらにフォームのA/Bテストまで行うことができます。フォームの離脱はコンバージョン率に直結する問題です。テストを容易に行えるのはメリットです。

ペーパーレスなやり取り

ペーパーレス化を主導するAdobeはデータ管理の自動化も追求しています。顧客が入力したデータは基幹システムやツールに自動かつ安全に転送されます。

それは制作者側にも行き届いています。作成したフォームは同時に承認を得るべきチームメンバー、リーダーに共有されます。承認者はどのデバイスからでも確認することができるため、即時的に承認を受けることができます。

すべてのプロセスを自動化することで、不要な紙文書が発生することはなく、データの再入力にあたるはずだった時間もなくなります。オフラインの時に入力したデータはオンラインになると即座に同期されます。これによりオフライン/オンライン問わず利用することができます。

Cloud Service

AEMの基盤となるのは、このCloud Serviceです。Adobeの連携された製品群は、安全かつ拡張性の高いCloud Serviceが支えています。セキュリティ面を第一に考えており、膨大なデータとコンテンツのプライバシー及び安全性を確保しています。

AEMと他ツールの違い

両手にはてなマークを浮かべ、比較する女性

例えばDrupal、Sitecore、WordPress。これらトップレベルのCMSと比較して、AEMの優れている点はどこでしょう。

以下では2つの優位点を紹介していきます。

  • コンテンツ管理とアセット管理の一体化
  • 高度な人工知能による最適化

コンテンツ管理とアセット管理の一体化

これまでの章でもさんざん紹介してきましたが、もっともな良点と言えばアセット管理の機能が一体となっていることです。従来、クリエイターとマーケターは隔離されていましたが、AEMが共存環境を作りました。お互いの距離感は縮まり、より同じチームとしての活動実感がもてるでしょう。

クリエイターとマーケターの距離が縮まることで、コンテンツの制作スピードは格段に上がります。さらに、AEM内でチームの責任者、外部企業への共有も可能です。プライバシーや権利の守られた外部向けブランドポータルを即時に立ち上げることができるため、競合に対し時間的優位を得ることができます。

高度な人工知能による最適化

近年のCMSはどれもレスポンシブへの対応を考慮しているため、以前に比べ作成しやすくなりました。

Adobeは人工知能によってさらに高速化を推進します。デバイスサイズに合わせて調整されるのはレイアウトだけではありません。画像サイズやデータサイズ、さらには文字量まで、多岐に渡ります。これにより、単純な見やすさだけでなく、そのコンテンツがより早く、より綺麗に表示されるよう自動で最適化されます。この機能はアセットデータやフォーム作成にも活きているため、顧客の満足度に密に貢献していると言えます。

AEMのコスト

COSTと書かれた木のブロック、その上に乗る硬貨

AEMの導入コストについてですが、現在Adobeの公式ページでも言及されていません。

どれほどの規模のサイトを運用していくのか、また必用なサービスによって値段は変動します。ただ、他CMSに比べ高めであるのは事実です。ライセンス料だけで何千万円といった金額を覚悟する必要があるでしょう。

とはいえ、規模や利用サービスでいくらでも変動するので、興味がある方は一度Adobeに直接相談をしてみるといいでしょう。

Adobe Experience Manager公式サイト

AEMの導入事例

最後に実際にAEMを導入した3社の事例を見てみましょう。

  • ヤマハ株式会社
  • Princess Cruises
  • ロサンゼルス国際空港

ヤマハ株式会社

ヤマハ株式会社 スクリーンショット

ヤマハ株式会社は音楽事業を主要としている会社です。

大きなもので楽器の店舗やオンラインでの楽器販売があります。ピアノやギターなど木材を使用した生楽器は店舗での試奏が重要となるのに対し、電子楽器においてはオンラインの販売が多くを占めます。加えて新興国でのニーズの高まりもあり、ブランド価値の向上に重点を置きAEMを導入しました。

目的はアセットデータの管理。AEMで多様なアセットを管理・共有することで、販売会社や特約店に統一性が生まれました。導入前は、膨大なアセットを的確に管理することができず、アセットの利用を諦めてしまうユーザーがいたそうで、AEMの導入により管理が最適化され、すべてのデータの検索が容易になりました。

Princess Cruises

Princess Cruises スクリーンショット

世界3位のクルーズ乗客数を誇るPrincess Cruisesは、新規オーディエンスの獲得にAEMを導入しました。AEMにより識別可能な顧客予備軍の反応数を300%にまで押し上げることに成功しました。加えて、リピート率の向上も見られました。

ロサンゼルス国際空港

ロサンゼルス国際空港 スクリーンショット

大規模な国際空港であるロサンゼルス航空では1,900の重要設備があり、それらの状況モニタリングを課題としています。そこでAdobe Experience Manager formsをベースとし、モバイルソリューション導入をすすめました。現在では、ipad上のフォームに点検結果を入力することで瞬時に共有されるようになり、リアルタイムの現況把握が可能となりました。さらなる改善計画の立案も可能になったのです。

まとめ

AEMという単語が付箋に書かれている

Adobe Experience Managerは複数のツールが統合された革新的なプラットフォームです。それでいて、複雑な操作を必要としません。ページ制作者の主要な動作はドラッグアンドドロップ。直感的にコンテンツを配置し、短時間での作成を可能とします。

さらには人工知能によるレスポンシブへの自動化も魅力的なポイントです。画像であれフォームであれ、簡単に作成からレスポンシブまでを完了することができます。これであれば開発者を介さなくてもサイト制作者が編集できるので、さらなる作業時間の短縮が実現されます。

こうした人工知能による技術は日々進歩しています。自動化の技術はますます飛躍し、作業時間の短縮、莫大なコストをカットすることに繋がります。大規模サイトに向けたプロフェッショナルツールであるため、価格は安いとは言えませんが。ほとんどの場合において利用者の事業を成長させ続けています。メリットを感じる方は、ぜひ利用を前向きに検討しても良いでしょう。

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