ユーザーが読みやすいWebライティングのポイントとは?
Webライティングには紙媒体やメールの文章と異なるテクニックが必要とされます。いくら美しく魅力的な文章を書いても、ユーザーにとって読みやすくなければ優れたWebライティングとは言えません。ユーザーに評価される記事は自然とSEOの評価も上がるので、読みやすい文章を書くことはWebライティングに必須です。
どうすればユーザーが読みやすいWebライティングができるのかを、初心者向けに分かりやすく解説します。
Webライティングとは
Web上のコンテンツを作る目的は、より多くの人に見てもらうためです。そのためにはSEO(検索エンジン最適化)を意識して文章を書く必要があります。
SEOとは、Webサイトの構造やコンテンツの内容をGoogleやYahoo!などの検索エンジンから検索されやすくなるように調整することを指します。うまくSEO対策ができれば検索結果のページで表示順位が上がり、結果的にアクセス数を増やすことができます。
一時的にアクセス数を増やすのであればTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSでリンクを発信したり、Web広告を配信したりすればアクセス数は上がります。しかし、長期的に安定したアクセス数を出したい場合はSEOを避けて通れません。
そして、SEOに最も重要な要素となるのがWebライティングの技術なのです。
Webライティングが重要な理由
検索エンジンを使うユーザーの多くは、何か困っていることや知りたいことがあり、その答えを探して検索しています。
例えば『東京 デート』というキーワード検索している人はデートプランや行き先を知りたいと思っていますし、『登山 温泉』というキーワード検索をしているユーザーは登山した後に温泉に入れるような山を探していると考えられます。
こうしたユーザーは、自分の検索意図に合いそうなページが検索結果に表示されると積極的にアクセスします。こうして、Web上でユーザーに能動的な行動をさせることを『プル型のアクセス』と言います。
対して、TwitterやFacebook、Web広告などで不特定多数に情報を発信することを『プッシュ型のアクセス』と言います。『プル型のアクセス』に比べ、アクセスがあったとしても受動的な行動が多いのが特徴です。その情報を強く求めていないユーザーの目にも留まるので、集まるアクセスは『プル型のアクセス』ほど良質なものにはなりません。
また、SEO対策がよくできていれば常に検索エンジンの検索結果で上位表示されます。上位表示されるとそのワードを検索したユーザーからの継続的なアクセスが期待できます。反対にSNSでは投稿が時系列で更新されるため、人気のあるコンテンツでも古くなると上位表示されなくなります。
検索エンジンは情報の新しさだけでなく、検索しているユーザーがその情報を求めているかどうかをさまざまな尺度から評価するので、検索ニーズを取り込んだ上質なコンテンツを作れば検索結果に上位表示され続けます。
つまり、『検索ニーズを取り込んだ上質なコンテンツ』としてのWebライティングが重要となるのです。
Webライティングのポイント
それでは、Webライティングを行う場合に押さえておくべきポイントを8つご紹介していきます。
ポイント1:検索ユーザーの満足を意識する
SEO対策を考える際には「ユーザーは検索したいわけではなく、答えを知りたいから仕方なく検索していることもある」ということを念頭に置きます。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンは、検索している人の立場で有益なサイトを判断しているため、以下のようなコンテンツを作れば表示順位が上がりやすくなります。
- 悩みや質問に対して的確な答えを提供しているコンテンツ
- 他のサイトと情報は同じでも見やすい、分かりやすい、早く結論が分かるコンテンツ
- 信頼できるコンテンツ
- 最新情報を掲載したコンテンツ
実際に検索エンジンで好きなキーワードで検索して、上位表示されるコンテンツをすべて見てください。上記の条件を満たしていることが分かります。
検索している人にとって有益な記事になっているかが最重要だということを常に念頭に置いてWebライティングを行ってください。
ポイント2:検索結果上位10位までのWebサイトを分析、かつオリジナリティをプラスする
何事もまずは真似から始まるといいます。競合分析として検索結果10位までのWebサイトはすべて開いて読むようにしてください。
検索エンジンは1つだけではありません。検索エンジンは検索ユーザーを取り合う関係にあります。そのため、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにとってユーザー満足度は非常に重要な課題です。
ユーザー満足度は、検索ユーザーの検索意図を高い水準で満たすことで上がります。
こうした事情により、検索ユーザーに好まれる記事であれば検索結果の画面で上位表示される仕組みになっています。
上位表示されている記事は実際に検索エンジンに高く評価されている記事で、あなたの記事のライバルとなるページでもあります。ライバル記事の分析をしっかりしないとライバルに勝つことはできません。
ライバルの記事を分析するには、上位表示されているWebサイトを1つ1つ開いて、コンテンツ、記事の構成・展開をメモします。このようにして良いところをピックアップして真似すればそれなりにSEO対策がなされた記事になり、上位表示される可能性が高くなります。
しかし、これだけではライバルと同じレベルの記事にしかなりません。
さらに上位表示させるポイントは、自分が検索ユーザーになった気持ちで『ここが足りない』『もっとこんなことが書いてあればいいのに』という要素をプラスすることです。
あなたのオリジナリティをプラスすることで競合にない強みを持った記事を作ることができます。
ポイント3:見やすさや分かりやすさにこだわる
文章を読むときには、想像以上に脳に負担がかかっています。文章は自分の脳を使ってイメージする必要があるからです。文章を読んでできあがるイメージは、読む人の経験や記憶、知識によって違うものになります。
分かりやすい文章であれば脳への負担が少ないため、自由で豊かなイメージをふくらませることができます。
文章が難解になると脳への負荷が大きくなり、ダメージを軽減しようとして考えることをやめてしまうため、Webライティングにおいては読者の脳に負担をかけない、見やすく分かりやすい文章を書くことが求められます。
分かりやすい文章を書くポイントは以下の通りです。
- 改行と行間に気を配り、視覚的にリズムのある文章にする……視覚的にメリハリのある文章は気持ちよく読み進められる
- 漢字とひらがなをほどよいバランスで配置する……漢字だらけだと難しく、ひらがなばかりだと平易に感じてしまう
- 箇条書きを効果的に使い、要点を整理する……要点が分からない文章は最後まで読んでもらえない
- いらない言葉や表現はカットし、文章を簡潔にする……冗長な表現は読者を疲れさせる
- 感情表現を交えることで、共感を誘発する……共感することで文章を自分事としてとらえることができる
- 写真やイラストを適宜挿入する……文章にビジュアル的なメリハリができ、脳の休憩になる
読者が気持ちよく文章を読めるよう、Webライティングとしての基本的な体裁が整った文章を書くよう意識しましょう。
ポイント4:冒頭で結論を伝える
Webライティングで重要なのは、冒頭で結論を伝えることです。結論を先に伝えると、読者は「なぜこの結論になるのか知りたい」という気持ちになります。知りたいと思わせてから理由を伝えるのが効果的です。
特に、検索エンジンから流入したユーザーはこの心理が分かりやすく表れます。
ユーザーが知りたい情報が見つからないと判断されると、すぐに別のWebページに遷移されてしまいます。まだ結論を言っていないのに、結論まで読んでもらえないことになります。
検索エンジンからたどり着いたユーザーは、自分の悩みや疑問を解決するためにページを閲覧しています。こうした検索ユーザーの心理を念頭において、結論は冒頭で述べるようにしてください。
ポイント5:ターゲットにとって分からない言葉や知識が出てこない文章にする
SEOあるあるのひとつに、専門家が作ったコンテンツなのに上位表示がされないというものがあります。専門家は論理展開を省略しやすく、素人にとって分かりやすい文章を意識していない場合が多いのが理由です。
普段専門家は同業の詳しい人に対して情報発信しています。こうしたコンテンツは一般人にとってハードルの高いもので、検索ユーザーを意識する必要のあるSEOには適していない文章となってしまうのです。専門家の文章は読み物としては素晴らしいのですが、初心者向けの配慮がなされていないケースが多く注意が必要です。
中には初心者にも分かりやすいように意識して平易な文章を書ける専門家もいます。こうしたコンテンツは検索ユーザーのニーズを満たしており情報の質も高いので、上位表示がされやすい文章になります。
何らかのキーワードで上位表示させたい場合、そのキーワードを検索する人にとって知らない言葉や知識が出てこないように注意する必要があります。記事の分かりやすさが担保されていれば、コンテンツを見ながら他のページに行って言葉の意味を調べるといった事態を回避できます。
ユーザーの利便性を上げてページ離脱率を下げるために、検索ユーザーが分からなさそうな文章は排除するようにしましょう。
ポイント6:誰が書いているかを明記すると記事の信頼度が上がる
嘘を書こうと思って書くライターはほとんどいないでしょう。しかし、せっかく体験談や信頼できる事実を記事にしても、その確からしさが伝わらなければせっかくの記事の価値が伝わりません。
こうした場合には、どんな立場の人がその記事を書いているのかを冒頭に明記しておくと効果的です。
マネー系の記事であれば、『元銀行員が創業融資を確実に受けるノウハウをお伝えします』と書くだけで「この記事は信頼できそうだ」と感じさせることができます。
ポイント7:情報の鮮度も記事の信頼度につながる
『この記事は○○年○○月○○日に更新されました』のような表記を見たことがないでしょうか。
情報の種類にもよりますが、常に最新の情報が必要とされる場合、その情報がいつ時点のものであるかは非常に重要な問題です。もしその情報が古い情報であると分かれば、読者からは信頼されない記事になってしまいます。
鮮度の高い情報が必要とされるコンテンツは、まめに更新して上記のような更新日時を表示させることによって読者の信頼を得ることができます。
ポイント8:具体例を示せば読者は興味深く記事を読むことができる
グルメ系の記事を書く際に、ただ「美味しい」と書くだけではどういうふうに美味しいのか伝わりません。
いくら
「このカレーはとても美味しいです。絶対に食べに行くべきですよ!」
と記述したところで、誰もその料理を食べに行きたいと思わないでしょう。
この料理の美味しさを伝えるには、どのように美味しいのかを具体的に説明する必要があります。
「このお店のカレーは、開店前にできた行列で一日分が売り切れてしまいます。カレー激戦区の○○エリアですが、その歴史を築いたのはこのお店といっても過言ではありません。お店のこだわりはスパイスで、数十種のスパイスを店主が毎日ブレンドしています。刺激的ともいえる強いスパイス臭に虜となる人が続出。
スパイスカレーブームでカレー店巡りをしているという方は、この金字塔ともいうべきスパイスカレーを避けて通ることはできないでしょう。」
上記の例では、スパイス感の強いカレーであることを具体的に表現しています。こうすることでマイルドなカレーが好きな人は対象から外れてしまいますが、刺激的なカレーが好きな人に対して確実にアプローチすることができました。
あいまいな表現は避け、具体的に表現すると読者の興味を強く引くことができます。
Webライティングを行う際の注意点
Webライティングに限った話ではありませんが、コピペは絶対にしないようにしましょう。
キュレーションメディア内で違法な引用やコピペが多発し、サイトが閉鎖にまで追い込まれる事態があったことは記憶に新しいです。やむなく引用する場合は、引用箇所を明確にして出展元を明記します。本来は引用元の管理人に連絡を取り承認を得てから引用をするのが正しいルールです。文章を書いた人に敬意を払い、Web上でも失礼のないふるまいができて初めて一人前のライターと言えるでしょう。
また、他記事と同じコンテンツが良質なわけがありませんよね。自ずと、検索エンジンからの評価も落ちてしまいます。オリジナリティを心がけてライティングを行うようにしてください。
おわりに
いかがでしょうか?
Webライティングには独特のコツがあるので、慣れないうちは時間がかかります。しかし慣れれば確実に記事のクオリティも上がってきますので、執筆を続けてスキルアップを目指してください。