買い物袋を持つ笑顔の女性

P2Cとは?ビジネスへの活用方法は?

買い物袋を持つ笑顔の女性

最近『P2C』という言葉を聞いたことありませんか?これはみなさんが知っている『B2B・B2C・D2C』と表現された、企業から消費者までの流れを表現した用語の新たな派生語です。

近年では『D2C』と呼ばれる企業(メーカー)から消費者へ直接販売をすることが新たなビジネス手法として注目をされていましたが、現在では企業ではなく個人が消費者へ商品を販売する手法が注目をされています。ここでは個人が消費者へ直接販売をする『P2C』と呼ばれるビジネスが具体的にどのようなことなのかを解説していきます。

P2Cとは

黒い買い物袋を持つ女性の手元

P2Cとは『Person To Consumer』の略です。P2Cを説明をすると「個人のオリジナルアイテムやサービスを自身の持っているチャネルでマーケティングをしながら消費者に直接販売をすること」です。

ここでの販売チャネルは自身のサイトやSNS、ECプラットフォームでの販売になります。マーケティングのメインはinstagramやTwitter、YouTubeなどで自身が持っているアカウントでブランド育成をしていきます。つまり、自身の持っているアカウントの中で、ブランドの製作過程やコンセプトをフォロワーや視聴者に伝えてブランドを育てていくのです。

最近ではYouTuberの『ヒカル』がアパレルECサイトの『LOCONDO(ロコンド)』で、自身で立ち上げたオリジナルブランド『ReZARD』で、コラボシューズやアパレルの販売を開始しました。そして1週間で6億の売上をあげたニュースになっています。

P2Cのメリット

P2Cの大きなメリットは3つあります。

  • ブランドを作っている本人が広告塔のため広告費がかからない
  • 既に個人が持っている影響力があるため見込み客が確保できる
  • 見込み客を持った状態でマーケティングができる

通常ブランドの立ち上げをする時は雑誌やメディアなどで多額の広告費をかけて宣伝をします。また最近ではインフルエンサーやSNSへの広告費も増えています。

しかし、P2Cを行うインフルエンサーはツイッターやYouTubeなど無料でできるアカウントを持っているケースが多いです。フォロワー数が多いインフルエンサーであれば、そのアカウントで発信するだけで、無料で数万〜数百万のフォロワーに宣伝ができるのです。

また、インフルエンサーは個人でもブランド力があり、フォロワーの共感を得る力が高いといえます。つまり見込み客がどのくらいになるのか、ブランドの立ち上げ時点で予測がしやすいのです。インフルエンサーが持っている影響力でマーケティングを直接行い、ブランド育成をしながら顧客の確保ができることは大きなメリットです。

P2Cは新しい?

電球マークの書かれたパズルの最後の1ピースをはめる

P2Cはこれまでも似たようなものはありました。例えば芸能人プロデュースのファッションブランドなど。個人の影響力を使って商品の販売をしていることも多いでしょう。しかし、これは芸能人の看板を利用したメーカーの戦略であり、いわゆるインフルエンサーマーケティングになります。

P2Cとは、インフルエンサー自身がブランドを立ち上げ、自身のアカウントで自らマーケティングから販売まで一貫して行っています。その点が、これまであったマーケティング手法との大きな違いと言えるでしょう。

どうしてP2Cの概念が生まれてきたの?

これまでは、個人が簡単にブランドを立ち上げて販売まで行うことは非常に手間がかかる上、ブランドの育成にも、多大なる広告費をかけなければなりませんでした。そこから時代が大きく変わってきたために、P2Cの概念が生まれてきたのです。

P2Cの概念が生まれた理由は3つあります。

  • 個人が発信力を持つ時代になった
  • 個人のブランドアイテムを製作するOEMメーカーが増えた
  • ネットの発達により個人が販売チャネルを持つことが容易になった

現在では、YouTubeやSNSで個人の発信力が非常に高くなって、誰もが影響力を持つ人間になれるチャンスがあります。

また、ブランドの開発を、個人でも小ロットで発注・生産を受け入れてくれるメーカも増えています。これまでは企業的な規模でしか生産ができなかったところを、個人の規模でも生産ができることでハードルが下がるようになりました。そして、最後の販売部分でも、ネットの発達により誰もが実店舗を持たなくても、ネット上で販売チャネルを持つことができるようになりました。ECサイトでの購入が当たり前になってきた時代背景が、P2Cビジネスには追い風になっています。

P2CとD2Cの違い

複数の白いブロックと、1つの赤いブロック

P2Cと似た用語の中で、一番メジャーな用語なのはD2Cです。これは『Direct To Consumer』の略です。D2Cの意味は、簡単にいうとメーカーが自社のECサイトにて直接販売をすることです。

通常のメーカーの商品販売ルートは、メーカー→卸売業者→小売業者といった流れになっております。つまり、これまでは小売店や小売店のネット販売で顧客へ商品を販売していました。それをD2Cビジネスでは、メーカーが自社でネットサイトを開設し、直接顧客への販売をするようになりました。サービスであれば小売店ではなく、代理店でのサービス提供などを自社サイトで提供できる仕組みにすることです。

D2CとP2Cを簡単にまとめると

  • D2Cとは企業がブランドの訴求と販売を顧客へ直接行うこと
  • P2Cとは個人がブランドの訴求と販売を顧客へ直接行うこと

つまり企業の力で顧客へブランド訴求から販売をするのか、個人の力で行うかによる大きな違いがあるのです。P2Cの中には、企業が個人の立ち上げブランドをバックアップすることも含まれます。

D2Cのメリット

P2Cとのメリットを比較するために、ここでは簡単にD2Cのメリットを紹介します。

  • 卸売業者や小売業者を介さず、メーカー希望小売価格で販売できるため、利益率が高い
  • 自社のブランド観を消費者へ直接伝えることができる
  • 顧客データを自社で手に入れられるため、商品開発やマーケティングに活用ができる

これまでは、卸売業者や小売業者にマージンを取られていたため、利益率は薄くなっておりました。そこで自社サイトで直接販売することにより、中間コストを削減して販売ができるようになるのです。

また、自社のECサイトで販売をすることで、消費者へ直接ブランドイメージを伝えることができ、自社サイト内での顧客動向も分析することができます。顧客データを自社で手に入れられることで、今後の商品開発やマーケティングに活用をできるようになるのです。このようにメリットの点でもP2Cとは大きく異なってきます。

P2Cビジネスを行う注意点

空の背景と、注意喚起マークの標識

P2Cビジネスを行う上での注意点もあります。また、個人の影響力で訴求をするのもあり、リスクも発生します。

P2Cビジネスのデメリットをまとめると

  • 個人のプロデュース力がないと、有名なインフルエンサーでも失敗する可能性がある
  • リリースするブランドが自分のフォロワー層に合っていなければならない
  • 生産から受注まで行なってくれる外注先を探す必要がある
  • 生産ロット数が少ないためコストがかかる

前述の通り、P2Cビジネスは個人の影響力でマーケティングをしていきます。そのメインはSNSやYouTubeとなっており、個人のプロデュースが上手くなければなりません。訴求したいブランドイメージやこだわりをしっかりフォロワーに伝えることができなければ、有名なインフルエンサーでも失敗をする可能性があります。また、リリースするブランドが自分のフォロワーに合っていなければせっかくの顧客リストを活かせないので注意をしなければなりません。

そして、個人で企画から販売まで行う上で、必ず外部業者との関わりが必要になってきます。素材調達から生産、販売受注まで協力をしてくれる業者を探さなければなりません。生産ロットも、企業的な大規模単位での生産にはならないことがほとんどなので、割高になる場合も多くあるでしょう。売れなかった場合は在庫リスクも発生するので、受注生産などの販売方法でリスクヘッジをする必要もあります。

P2Cの事例

Case Studyのアルファベットを並べる手

ここではP2Cの事例をいくつか紹介をしていきます。P2Cにおいては単純に人気のインフルエンサーがオリジナル商品を出して売れているだけではなく、自身の得意な分野で発信力をつけて成功をさせている事例もあります。

まとめるとP2Cで成功する事例としては2つあります。

  • フォロワー数が多いインフルエンサーが、強い影響力を武器にして顧客を獲得する方法
  • 自分の得意分野をビジネスとして発展させて、フォロワーを顧客化する方法

大きくこの2つで分けられます。P2Cビジネスでは単純にフォロワーが多くなければ成功しないわけではありません。これからあげる事例の中では影響力が強いインフルエンサーではなくてもP2Cビジネスができる例もありますのでぜひ参考にしてみてください。

人気YouTuberの立ち上げブランドの例

多くの若い方が名前を聞けばわかる大人気YouTuberヒカルが自身のオリジナルファッションブランド『リザード(ReZARD)』とファッションECサイト『ロコンド(LOCOND)』がオリジナルスニーカーのコラボをしました。

1週間で6億もの売り上げを上げたとあるようにこのブランドのコラボは大成功をしました。

その中でこのブランドが成功した要因は

  • ブランド立ち上げのコンセプトや想いを、ダイレクトにフォロワーに伝えていた
  • 商品の品質を追求し、それをダイレクトにフォロワーの訴求していた

YouTuberヒカルはブランド品の品質と価格のバランスに対して疑問を持ち、自身のブランドでは、高級ブランドに負けないクオリティのアイテムを低価格で販売をすることを決めました。そこで自身の持つ強い影響力で、ブランド開発の想いやこだわりを、YouTubeやSNSを通してダイレクトに見込み客に訴求をしました。

他のブランドにはできない開発の裏側や、商品の本質に関する部分を公開することで、顧客の信頼も獲得し大きな成功をすることができたのでしょう。

ファッション系ビジネスインフルエンサーMBの例

ファッションを哲学や理論に基づいて発信をしているMBも、P2Cビジネスにおいて大成功をしております。MBは書籍の出版、ブログ、メルマガ、自身のオリジナルファッションブランドの販売など幅広くビジネス展開をしております。MBはおしゃれをセンスではなく理論で分解し、誰もがおしゃれになれるアドバイザーとしてファッション好きの人間だけでなく、ファッションに悩んでいる人からも大きな支持を得ています。

  • ロジックを基にしたビジネスモデルの組み立て
  • 顧客の悩みを解決する情報発信
  • 在庫を持たないブランド展開

MBは人気YouTuberのようなカリスマ的な影響力ではなく、理論に基づいたビジネス視点でフォロワーを増やしてきました。

一方的にファッション解説をするのではなく、顧客の悩みを解決する情報を配信し続けることで有料メルマガ会員の獲得やファッションブランドの顧客の獲得に成功しています。

このように自分の得意な分野で顧客の悩みを解決する情報を発信し、ビジネス的な視点を持てばP2Cビジネスを誰でも展開できる可能性があります。

また、MBのオリジナルブランド展開の強みは在庫を持たない点です。通常ファッションブランドは商品を生産し在庫を持って販売をしますが、MBのブランドでは予約販売がメインになっています。そのため基本的に在庫を持たなくても良いので、売れ残りのリスクが発生しません。

マーケティングは自身のSNSやブログ上で行うため顧客へダイレクトに訴求ができる上、需要予測も容易になります。顧客データリストも取れるので、今後の商品展開や情報発信のネタにもなるのです。このようにP2Cビジネスでは得意分野を活かして成功するチャンスを生み出すこともでき、デメリットのカバーをすることも可能になります。

P2Cビジネスを発展させるプラットフォームの進出

先ほどの注意点で、P2Cでは生産から受注までを行なってくれる業者が不可欠とお話をしました。個人では川上から川下までの流通ルートを確保することは困難で、よほど影響力がある方でないと企業も協力をしにくい状況でした。

そこで現在のインフルエンサーマーケティングの成長を受け、D2C事業を展開する『Direct Tech』とクラウドファンディングサービスの『Makuake』が、『インフルエンサーD2Cラボ』と呼ばれるP2C事業者向けのプラットフォームを作りました。

Direct Tech D2C Works

ここでは自分のオリジナル商品を販売したいインフルエンサーに対して商品製造から財務管理、販売ルートの確保を0からサポートをしてくれます。

特筆すべき点は業務提携をするMakuakeが運営するクラウドファンディングサービスで応援購入をしてもらうことで資金の確保と需要予測ができる点です。この仕組みがあることで個人では困難な資金の確保と在庫管理の予測がつけることができるのです。

現状のアイテム展開は、アパレル・コスメ・アクセサリー・スイーツの分野になっていますが、今後も様々な製造業者と組むことでアイテム展開の拡大も予想されます。ブランドコンセプトやマーケティングの部分もサポートをしてくれるのでP2Cビジネスに参入するインフルエンサーも増えるでしょう。

大手アパレル企業が手がけるP2Cビジネスのバックアップ

P2Cビジネスに着目し大手のアパレルEC企業『ZOZO』が『YOUR BRAND PROJECT』と呼ばれるインフルエンサーのブランド立ち上げをバックアップをするプロジェクトを始めました。

ZOZOではただ商品を売る機能ではなく、ZOZOから商品を生み出す機能として、強い個性や発信力を持った個人にスポットを当ててこのプロジェクトを開始しました。

このプロジェクトではオーディションに合格をした23組のインフルエンサーやクリエイターがZOZO限定のオリジナルブランドを立ち上げて販売をします。

そして、ZOZOから資金調達や生産から販売まで必要な工程をバックアップしてもらいながら、ブランド立ち上げ、想いや個性をSNSやWEARと行ったサービスで訴求をしていき、セルフプロデュースをしていきます。

大手企業がバックアップをすることで、P2Cを通して今の常識であるマーケットインの観点から個の力を利用したプロダクトアウトが新たな日の目を浴びてくるでしょう。

アイテム展開は2020年10月21日以降に順次販売開始となっております。

YOUR BRAND PROJECT

まとめ

オンラインショッピングをする女性の手元

P2Cは影響力があるインフルエンサーだけがやるビジネスという印象がありますが、それだけではありません。かつての芸能人プロデュースのブランドだけではなく、誰もがブランドを立ち上げることができる時代になってきているのです。

この記事の内容をまとめると

  • P2Cとは個人のオリジナルアイテムを自分の影響力を活用して顧客へ直接販売をすること
  • P2Cのメリットは既に見込み客を持った状態でブランドへの想いやコンセプトを直接訴求ができる
  • P2Cが生まれた理由は、誰もが情報発信ができる時代になり、販売ルートを確保することが容易になったから
  • インフルエンサーとして影響力ある人間だけでなく、個人の得意分野を活かしてビジネス視点で成功することも可能
  • P2Cプラットフォームも増えつつあり、誰もが個人ブランドを立ち上げることが可能になる時代になってきている

大手企業も影響力の強いインフルエンサーを求めており、P2Cがビジネスとして今後も発展することは間違いありません。個人が発信力を持つ時代になり、ビジネスを成功させるには新しいマーケットが広がりつつあるところに注目をしていかなければならないでしょう。

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