キーボードの前に置かれた小さな買い物カート

今注目のDtoCとは?成功の秘訣を探る!

キーボードの前に置かれた小さな買い物カート

海外で注目されていたDtoCですが、日本でも数多くの企業が導入しています。自社のブランドや製品を宣伝するためのビジネスモデルの1つですが、うまく活用することによって消費者との距離を縮めることができるものとなっています。テレビCMやチラシといったものから、インターネット広告へシフトチェンジしている企業も多いため、今後DtoCのビジネスモデルはさらに拡大することが想定されます。今回は、DtoCはどのようなものなのか、成功事例も交えて紹介していきますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

DtoCとは?

キーボードのEnter部分に書かれているショッピングカート

DtoC(Direct to Consumer)は、メーカーが自社で開発製造した商品を問屋や小売店を介さずにECサイトを通じて消費者に直接販売するビジネスモデルのことを指します。

日本でDtoCが注目されている理由としては、「利益率を上げることができる」、「マーケティングの自由度が上がる」、「効率よく知名度を上げることができる」といったような複数のメリットがあるためです。

Amazonや楽天などモール型サイトに出店して製品を販売することも可能ですが、DtoCで自社サイトを使い直接消費者へ販売することによって、初期費用や毎月のシステム利用料などを抑えることができます。販売した商品の利益率を上げることもできますので、うまくいけば業績アップにも期待ができるものになっています。

自社サイトを構築すれば、モール型サイトと違い、ページの仕様も自由に決めることができ、カスタマイズの自由度は上がります。また、 SNSを通したキャンペーンを打ったり、消費者目線に沿ったサービスを提供できるようになるというメリットもあります。結果的に消費者の満足度を上げる施策が打ちやすくもなるため、 DtoCは日本の企業に注目されているのです。

DtoCの難易度は高い?

迷路を見下ろすビジネスマン

DtoCは複数のメリットがありますが、システムを構築して自社サイトの運営を軌道に乗せるまでが大変というデメリットもあります。

まずは自社のECサイトを構築する必要があるという第一のハードルがあります。自社のシステム部門で構築できる環境があれば良いですが、なければ別途ECサイトを構築する専門業者に依頼する必要があり、初期費用が掛かります。ECサイトを管理するための整備、維持費も定期的にかかってきますので、初期費用以外にも毎月の費用がかかるということも念頭に置いておきましょう。

また、DtoCは間に問屋や小売店を介しませんので、ECサイト自体や商品の宣伝は自らおこなっていかなければいけないというハードルもあります。ある程度知名度のあるブランドや製品であれば、消費者自ら検索をしてサイトを訪問してくれますが、全く知名度のないブランドや製品に関しては、自ら消費者に宣伝しなければいけません。ある程度広告を打ったり宣伝をするための費用がかかるということも計算しておきましょう。軌道に乗ると安定しますが、立ち上げ当初はかなり負担がかかるのがDtoCのデメリットとなっています。

DtoC、BtoB、SPA、混同されやすい用語の違い

両手にはてなマークを持ち、比較する女性

DtoC、BtoB、SPAなどそれぞれどのようなものを表すものなのか、ビジネス用語として押さえておく必要があります。それぞれ全く異なった意味を持っているものとなりますので混同しないように注意しましょう。

DtoC

Direct to Consumerの略で、自社で開発製造した商品を問屋や小売店を介さずにECサイトを通じて消費者に直接販売するビジネスモデルです。D2Cと言われるケースもありますが、同様の意味です。

スマートフォンやSNSの普及によって企業が直接、消費者とコンタクトが取れる環境ができたことによって、自社のECサイトを持つハードルが下がり、DtoCのビジネスモデルが増えたという経緯があります。主に海外で流行していたビジネスモデルですが、海外の事例を参考に日本でも導入する企業が増えたという経緯もあります。

BtoB

Business to Businessの略で、企業間同士でやり取りするビジネスモデルです。具体例としては、企業向けの会計ソフトや、人材派遣サービスなどがこれに該当します。企業対企業となりますのでターゲットが限定されていて、取引先も固定されているというケースが大半です。商品やサービスを販売するという意味ではDtoCと変わりはありませんが、あくまでも対象は企業なので、消費者が関わってこないビジネスモデルとなります。

SPA

Speciality store retailer of Private label Apparelの略で、商品の規格製造、販売までを1つの業者がおこなうビジネスモデルです。SPAは製造小売業のことを指していて、卸売りをせずに、自社の商品を自前の小売店で販売する企業のことを言います。

自社で商品を企画、生産しなければいけないというデメリットはありますが、卸売業者を介さずにコストを削減できるので、リーズナブルな価格帯で消費者に商品を提供できます。また、自社の商品を消費者にアピールしやすいというメリットもあります。

DtoCを成功させるためのポイント

青い背景と、人差し指を指す女性

DtoCを成功させるためには、いかに自社製品を消費者へアピールできるかという点が大切です。自社ECサイトを構築するにあたって、自社の製品を自らアピールして知ってもらい販促活動をしなければいけませんので、まずは知ってもらい商品に興味を持ってもらう必要があるためです。そのためにはブランドや製品についてどこのサイトよりも詳しく紹介できるだけでなく、日常的にキャンペーンを打ったり、お役立ち情報を発信していく必要があります。

また、ページ内を整備して消費者がリピートしてページを訪問してくれるような環境も作らなければいけません。自社ECサイトは顧客を管理するためのページとしても利用できますが、あくまでも顧客がページを訪問してくれなければ全く機能しないものになっていまいます。そのため、「消費者との距離を縮めることができるかどうか」がカギとなってきます。

DtoCの成功実例

海外で成功してきたDtoCのビジネスモデルですが、これまでに数多くの日本企業も成功を収めてきた事例があります。各会社取り扱っているブランドや商品によって、どのような方法で成功しているのか特徴も見えてきますので、具体的にどのような成功事例があるのか、海外の企業、国内の企業に分けて紹介していきます。

海外の企業

ネスレ

ネスレ

世界的に知名度の高いネスレですが、DtoCの成功事例としても有名です。自社のECサイトを充実させることによって、家庭用コーヒーマシンを普及させることに成功しています。

1年間で21,000の無料サンプルを配布することを目的にしていましたが、実際には、数時間で目標を達成してしまいました。もともとの知名度が高いブランドではありましたが、自社サイトを用意することによって、ブランドにさらに特別感を出すことができています。

オンラインショップとしての役割だけでなく、各種キャンペーンの紹介や自家製レシピの掲載など、消費者にためになる情報を提供しています。マシンの保証期間の延長、ポイント制の導入など、会員特典も充実していますので、消費者にとってもメリットの大きい自社ECサイトとなっています。

ROCKETS OF AWESOME

ROCKETS OF AWESOME

子供服の自社ECサイトとして有名なのがROCKETS OF AWESOMEです。毎シーズン8スタイルの子供服セットを宅配するサービスを展開するなど、サブスクリプションモデル(定期購入)の評判が高く、DtoCを最大限に活用して新規顧客だけでなくリピーターの確保にも成功しています。

自社ECサイトの会員数を増やすことによって、毎月の販売の目安を立てたり在庫の管理もしやすい環境を作っています。子供服という限定的なジャンルにおいて知名度の高いECサイトは消費者としても利用しやすいという相乗効果を生んでいます。

Dollar Shave Club

Dollar Shave Club

Dollar(1ドルで)Shave(髭が剃れる) Club(会員制サービス)として髭剃りの定期購入サービスを提供しているのがDollar Shave Clubです。

2012年の創業から4年間で220億円の売り上げとなり、消費者から評価を得ているサブスクリプション(定期購入)の仕組みを作り上げました。大手企業との差別化を図るために、動画配信サイトYouTubeを使用して爆発的に知名度を上げました。

自社の良さをYouTubeでアピールすることによってブランドの知名度を上げることができた代表例です。1ドルで髭が剃れる会員制という話題性のあるサービスと拡散性の高いYouTubeがうまくかみ合った成功事例と言えます。

Glossier

Glossier

Glossierはニューヨーク発のコスメブランドです。ファッション系ブログの運営者が立ち上げたブランドで、YouTubeやInstagramを使用して顧客にブランドをアピールすることに成功しました。

YouTubeでは製品の使い勝手、Instagramでは自社製品の画像をアップロードすることによって実際に消費者に製品の良さをアピールできることから、身近なコスメ品として人気が爆発しました。自社ECサイトを導入することによって、ハードルの高いブランドではなく、消費者のためのブランドとしてアピールできる成功事例を作りました。

国内の企業

SONY

SONY

ゲームやハードウェアの分野で有名なSONYですが、DtoCのビジネスモデルでも成功しています。自社ECサイトでは直接商品を購入できるだけでなく、どこよりも詳しく商品について知ることができる点が強みです。

もともとブランド力が強い企業ではありますが、日々キャンペーンやお役立ち情報などを発信することによって、消費者の目線に立っている有益情報の提供が多いことも人気の理由です。

テレビやデジカメ、ヘッドホンなどジャンル分けされて見やすいだけでなく、使い方や各製品ごとの比較まで、購買意欲を上げるための工夫がされているという特徴もあります。お客様相談室や購入時に相談できる電話窓口もしっかりしているので、ブランド力だけでなく安心感も兼ね備えている、日本でのDtoCの成功事例として有名です。

FABRIC TOKYO

FABRIC TOKYO

メンズ向けのオーダースーツを手掛ける FABRIC TOKYO(ファブリックトウキョウ)。受注から製造、納品まで自社でおこなっているのでスピーディーにスーツを購入できるだけでなく、採寸から細部にわたる要望までを叶えてくれるサービスでDtoCとして成功を収めました。全国各地にある実店舗との連携もとれているため、無料でサイズの測定登録ができるだけでなく、来店予約もできるようになっています。

ブログ形式でスーツやオーダーシャツのレビュー、基礎知識なども紹介しているので、自社ECサイト内のコンテンツも充実しています。サイト内での購入だけでなく、しっかり時間をかけて決めたいという方は実店舗で購入することもできるという、ユーザー目線に沿ったブランドと言えます。

ミスターチーズケーキ

ミスターチーズケーキ

「幻のチーズケーキ」として食品系のDtoCとして成功を収めたのがミスターチーズケーキです。ブランド名としてチーズケーキを入れることによって、限定的な印象を持たれていますが、逆手にとってこだわりをアピールして成功を収めました。消費者がページを見に来る理由は、チーズケーキの購入というシンプルなものですが、自社ECサイトということで、他のサイトとの差別化を図っています。

Amazonや楽天などモール型サイトにも、複数の会社からチーズケーキの販売がありますが、DtoCのビジネスモデルを取ることによって、消費者に特別感を持たせることに成功した事例です。

ドモホルンリンクル(再春館製薬所)

ドモホルンリンクル(再春館製薬所)

定番商品としてテレビCMで見かけることも多いドモホルンリンクル。自社のECサイトで、化粧品というインターネットで扱いにくい商品ではあるものの、消費者の信頼を得てリピーターも増やし続けています。無料お試しセットやお肌の状態のチェックなど、自社ECサイトによって消費者目線に立ったサービスを提供しています。

ドモホルンリンクルという知名度の高いブランドの購入を自社ECサイトに誘導することによって、他の化粧品との差別化を図っています。自社で開発した製品を直接販売する形式を取っているからこそできる、消費者に製品の良さを最大限に伝えることに成功している事例です。

まとめ

ノートパソコンのキーボードに、複数のショッピングカートのアイコンが浮かぶ、ネットショッピングのイメージ図

DtoCについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。海外の企業から順に日本の企業でも導入が進んでいるDtoCですが、うまく軌道に乗せることによって、「利益率を上げることができる」、「マーケティングの自由度が上がる」、「効率よく知名度を上げることができる」といった効果を期待できます。

自社のブランドや商品を消費者に知ってもらうことだけでなく、販促にもつながる企業の生命線になりえるビジネスモデルとなっています。初めてDtoCに取り組むという企業にとっては、時間とコストがかかるものになりますが、軌道に乗せることによって、事業の安定を図るということも可能になります。

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