BERTと書かれたポップな文字

BERT(バート)とは?Google検索への影響は?

BERTと書かれたポップな文字

BERTはGoogleが採用しているAIを使用した画期的な技術だということは知っているけれど、詳細まではよくわからないという方も多いのではないでしょうか。この記事ではBERTとはどのようなものかからGoogle検索への影響まで詳しく解説します。

BERTとは?

テクノロジーのイメージ

BERTとはBidirectional Encoder Representations from Transformersの頭文字を取った言葉で、日本語では「Transformerによる双方向のエンコード表現」と訳されます。

BERTは2018年10月にGoogleよりAI技術を用いた自然言語処理技術として発表され、2019年10月でアメリカのGoogle検索で導入されたのを皮切りに、2019年12月には日本語を含む70以上の言語においても導入されているのです。

自然言語処理技術とは人間が使用する曖昧な話し言葉や書き言葉を解析し、翻訳、感情分析(文章がポジティブな感情を持つかネガティブな感情を持つかの分析)、文書分類(文章のカテゴライズ)などを施した後コンピュータに理解させるための技術を指します。つまり、Google検索ではBERTがユーザーの入力した検索クエリをコンピュータに理解させることにより、検索意図に合わせた適切なサイトを表示してくれているということです。

例えばあるユーザーがBERTを導入していない、従来の検索エンジンで「4弦じゃないベース」と入力して検索を行ったとしましょう。ユーザーは4弦以外のベース、つまり5弦ベースや6弦ベースについて知りたいために検索をかけているのですが、検索結果には4弦ベースについての記事ばかりが表示されることになります。これは従来の検索エンジンでは「4弦じゃないベース」という検索クエリの解析が不十分なため、「4弦じゃないベース」を「4弦 ベース」という検索クエリとほぼ同じ検索意図で検索されたと誤認識してしまったことにより起こる事象です。

しかし現在のGoogleではBERTを導入しているため、「4弦じゃないベース」というキーワードの検索意図を読み取って5弦ベースについての記事や、5弦ベースと4弦ベースとの違いについての記事を検索上位記事として表示してくれます。これはBERTが日本語の否定形「じゃない」を検索意図として他の言葉と同様に認識していることからできることです。

BERTは言語の文法や文脈を正確に理解した上でコンピュータに理解させることができるという画期的な技術だと言えるでしょう。

BERTがGoogle検索に導入された背景

クエスチョンマークの前に立つビジネスマン

BERTがGoogle検索に導入された背景とはどのようなものなのでしょうか。2つご紹介します。

多様化する検索クエリに対応するため

BERTが導入された背景の1つめは、多様化する検索クエリへの対応が必要だったためです。

例えばリスティング広告などの場合は広告を出稿する側がキーワードを登録し、そのキーワードがユーザーの実際に入力する検索クエリに含まれていれば広告は出稿されますが、ユーザーの本当の検索意図を知るためには検索クエリに注目する必要があります。

検索クエリは近年、ユーザーの使用するデバイスがPCからスマホやタブレットなどのより手軽で身近なものへと変化してきたのに伴い、その検索意図が多様化・複雑化してきているのです。

検索クエリが多様化・複雑化すればするほど、検索エンジンにもより高い処理能力が求められることになります。毎日Googleで入力される検索クエリのうち15%は全く新しいものとGoogleは発表しているため、ユーザーの検索意図を理解し適切なコンテンツが検索エンジンを通じて提供されるためには、BERTを導入する必要があったと言えるでしょう。(※1)

音声検索へのニーズに対応するため

アメリカのインターネット調査会社Comscoreは「全ての検索の50%が、2020年までに音声検索になる」と予想していましたが(※2)、実際はどのようになったのでしょうか。

モバイル社会研究所が2020年に発表した「モバイル社会白書Web版」(※3)では音声検索の認知率と音声検索の使用率について調査を行っているため、この結果を基に考察してみましょう。

最初に2020年における音声検索の認知率を各音声検索別にまとめてみました。

音声検索の認知率

音声検索の種類音声検索の認知率
Google音声検索71.5%
Apple Siri59.4%
Amazon Alexa40.0%
docomo my daiz/しゃべってコンシェル29.8%

どの音声検索においてもそこそこ認知率は高いと言えるでしょう。

次に2020年における音声検索の利用率を各音声検索別にご紹介します。

音声検索の利用率

音声検索の種類音声検索の利用率
Google音声検索11.5%
Apple Siri7.1%
Amazon Alexa2.8%
docomo my daiz/しゃべってコンシェル1.7%

どの音声検索も利用率は低く、50%を達成するにはまだ時間がかかりそうな状況です。

しかしポッドキャストなどの音声配信への需要が高まりつつあることから、音声検索の市場も何かをきっかけとして大きく成長するのではないかと予想されています。

音声検索が一般化すればさらに検索クエリが複雑化することが考えられるため、GoogleがBERTを導入したのは検索エンジンの将来へ向けた戦略として必要なことだったと言えるでしょう。

(※1)Google 検索における最新の品質向上について
(※2)Just say it: The future of search is voice and personal digital assistants
(※3)モバイル社会白書Web版 データで読み解くスマホ・ケータイ利用トレンド2020-2021_3章 (moba-ken.jp)

BERTのGoogle検索への影響

水滴が水面に波を作る

BERTがGoogleの検索結果へと及ぼす影響はどのようなものがあるのでしょうか。3つご紹介します。

長文の検索クエリに対して検索意図にあったページを表示できる

BERTは言語の文法や文脈を正確に理解した上でコンピュータに理解させることができるため、会話文や説明文といった複数の単語が含まれる長文の検索クエリを入力した場合、Google検索は今までよりも検索意図に即した検索結果を表示してくれるようになるでしょう。これによりBERTを導入する前は表示されなかったWebサイトが、検索結果の上位を占める可能性が出てきます。

逆にビッグキーワードにあたる「ギター」や「キーボード」といった短い単語の検索クエリにBERTが及ぼす影響はほとんどないと考えられるのです。いずれにしろGoogleの目指す「ユーザーファースト」の方針に即した形で検索の精度が上がり、検索エンジンの使い勝手がより良くなることは間違いありません。

Webサイトの検索流入が変化する

BERT導入はWebサイトへのユーザーの流入にも変化を及ぼします。今までは長文の検索クエリを入力した場合、ユーザーの検索意図とは異なるWebサイトを表示してしまう可能性もあったため、そのWebサイトの離脱率が上がる結果となっていました。

しかしGoogleがBERTを導入したことでユーザーの検索意図とWebサイトとのミスマッチは減少するため、離脱率が下がることが期待できるのです。本当にそのWebサイトの情報が必要なユーザーを呼び込むことができるため、例えば自分の売りたい商品やサービスなどがある場合、ターゲット顧客のコンバージョンにつなげやすくなったとも言えるでしょう。

ユーザーの検索意図がより深く理解できる

長文の検索クエリには、ユーザーの検索意図へのヒントが短い単語よりも多く含まれていると言えます。そのため長文の検索クエリの内容を解析することで、自分のWebサイトに来るユーザーの検索意図が今までより深く理解できる可能性があります。

例えば「ドラム」という単語で検索して訪問したユーザーの検索意図はその後のサイト内での動きをヒートマップなどで観察してみないとなかなか理解できませんが、「ドラム初心者でも大丈夫な音楽教室はどこか」という文章で検索したユーザーの検索意図は検索クエリだけでもある程度理解できるということです。

このようにユーザーのニーズをある程度可視化できるということから、BERTの導入は大きな意味があると言えるでしょう。

BERT導入後のGoogle検索対策は必要?

粗い板にクエスチョンマーク

今までの内容を踏まえるとBERT導入後のGoogle検索に対する特別なSEO対策が必要かと言われればそうではありませんが、GoogleがよりユーザーファーストにするためにBERTを導入したと考えられるため、それに即した対策を5つご紹介します。

ユーザーの検索意図に寄り添った情報提供を行う

BERT導入は、Google検索を用いることでよりユーザーの検索意図に合ったWebサイトへとたどり着きやすくするために行われています。そのため各Webサイトにはよりユーザーのニーズに合った情報提供を行う姿勢が求められます。

例えば次のようなことを考えてみると、ユーザーのニーズに合った情報とは何かを把握しやすくなるでしょう。

  • ユーザーはどのような悩みを抱え、何を知りたくてWebサイトへとたどり着いたのか
  • どのようなオリジナルのコンテンツでユーザーを満足させることができるか
  • どのような伝え方をすればより内容を深く理解してもらえるか

自分が伝えたいことをWebサイトで表現するのではなく、ユーザーの知りたいことをわかりやすい形にWebサイトへと落とし込むと、よりGoogleの意図するユーザーファーストなWebサイトへと近づけることができるのではないでしょうか。

タイトルと記事の内容を合致させる

単語だけではなく文章も検索クエリになりうるということは、タイトルの文章が検索される可能性もあるということです。ユーザーが単語で検索した場合、タイトルと記事の内容がある程度ずれていても許容してもらえるかもしれませんが、文章で検索した場合は単語で検索した時よりも違和感を大きく感じるため離脱につながってしまうでしょう。

このようなことを防ぐためにも、タイトルと記事の内容が合っているかどうかはよく確認し、記事の内容を象徴するようなタイトルをつけることができるとよりユーザーの満足度を高めることにもつながるでしょう。

ユーザーが理解しやすい文章でコンテンツを作成する

ユーザーが理解しやすい文章でコンテンツを作成するのも大切なことです。

具体的には次の3つを意識して文章を作成してみましょう。

  • 正しい日本語の文法を用いる
  • 誤字脱字がないよう心がける
  • 短く区切った文章にする

日本語としての文法が正しくなかったり、誤字脱字があったりするとユーザーはその文章の意図を前後の文章から類推した上で理解しなければなりません。これではユーザーが文章の意味を理解するまでに手間や時間がかかってしまうため、Googleの求めるユーザーファーストなコンテンツとは言えないでしょう。

また、句読点で文を区切ったり、接続詞を適切に用いたりすることで簡潔でわかりやすい文章にすることができます。例えユーザーの検索意図に合った情報を提供することができていたとしても、わかりやすい伝え方を心がけるかそうではないかでコンテンツの質が大きく変わることを理解しておきましょう。

スマホファーストを意識する

Googleでの検索は今後もより生活に根付いていくと考えられるため、スマホファーストなWebサイト作りは必須だと言えるでしょう。スマートフォンで自分のWebサイトがどのように表示されるかはもちろん、スマートフォンでWebサイトを見た時のファーストビューの内容や、ページをスマートフォンで読み込んだ場合の読み込み速度なども細かくチェックしておくことが大事です。

スマートフォンでWebサイトに訪問したユーザーのデータを解析することで、さらにスマートフォンユーザー独自の検索意図をサイト改善に活かすことができるでしょう。運用しながら少しずつ最適化していく姿勢が大切です。

音声検索に対応したコンテンツ作りをする

Google音声検索やApple Siriを用いて音声検索を行う場合、「〇〇、(検索クエリ)について教えて」のように問いかけを行うことが多いのではないでしょうか。そのため、Webサイト側では問いかけられた質問を解決できるようなコンテンツ作りを音声検索対策として行っておく必要があるということです。

具体的にはFAQコンテンツのような、ユーザーから高頻度で尋ねられる問題を解決できるコンテンツを作っておくのです。FAQコンテンツは見出しに質問内容を記載するため音声検索の内容とマッチしやすく、一定のSEO効果が期待できます。

また音声検索でユーザーの疑問を適切に解決できれば、ユーザー体験の向上へとつながるでしょう。

まとめ

ノートパソコンで検索する人の手元と検索窓

BERTとはAI技術を用いた自然言語処理技術の1つですが、Googleの検索エンジンにおいては長文の検索クエリであってもより適切なWebサイトを検索結果に表示させるための技術として使用されていることがわかりました。

スマホやタブレット端末など、持ち運びもできて手軽なデバイスが増加するのに伴い、検索するという行為はユーザーにとってより身近なものへと変化してきています。

Googleが掲げるユーザーファーストの方針に基づいて、検索エンジンがよりユーザーの検索意図を汲んだ結果を表示できるようにするためにBERTは用いられているのです。今後も音声検索などの技術進化に伴い、BERTは進化していくことでしょう。

ぜひこの記事を参考にして、よりユーザーのニーズを満たすWebサイト作りを心がけてみてください。

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